システム開発におけるシステムの輪郭

システムの輪郭とうまくいかないシステム開発

システム開発でうまくいかないときは、大体がシステムの全体像、システムの輪郭が見えてないときだと思います。
具体的には、作りたいシステムの内容を聞いても、そのシステムの絵が描けない、そもそもいつどこでどのように使われるかがよくわからない場合です。

そして、システムの輪郭がぼんやりした状態でシステムの開発が進んだ場合、システム化するべき対象があいまいとなる場合もあります。
そのため、リリース直前に機能が追加される場合、または、必要な機能が実装されないままリリースされてしまう場合があります。

これらの問題を防ぐためにも、システム開発では、早期の段階でシステムの輪郭、そして全体像をはっきりさせる必要があります。

システムの輪郭をはっきりさせるために

システムの輪郭をはっきりさせるためには、以下の7つの条件をしっかり定める必要があります。

  1. When:いつ使うシステムであるのか(毎日使用されるのか、使われるタイミングなど)
  2. Where:どこで使うシステムであるのか(場所、組織など)
  3. Who:誰が使うのか(特定の部署の人間のみ、管理職のみ、一般の消費者など)
  4. What:何の情報を必要としているのか(対象データ)
  5. Why:何のためにシステムを使用するのか(コストカットのため、売上アップのためなどのシステム化の狙い、目的)
  6. How:どのようにシステムを使うのか(必要なデータを登録し、必要に応じて参照する等の実施要領、Webからのアクセスまたは、アプリをダウンロードして使用するなど)
  7. How many:どれくらいのデータ量となるのか、どれくらいの時間が必要であるのか(扱うデータ量、実施頻度など)

そして、業務システムであれば、上記7つの条件を定めるためには、業務フローを知る必要があります。
なぜなら業務フローには、どのような業務が、どのような順序で進められているかが記載されるためです。

また、BtoCのシステムの場合においても、システムを含めた作業の流れが存在すると思います。

そのため、業務フローを作成し、システムの輪郭をはっきりさせることで、システムのあるべき姿をしっかりと描ける用のする必要があります。

システムの輪郭をはっきりさせるタイミングはいつか

システムの輪郭をはっきりさせるタイミングは、システムの開発工程でも、早期の段階で行う必要があります。
なぜらな、システムの輪郭があいまいな場合、本来あるべきシステムの姿と異なってしまうためです。

そして、リリース間際に初めて本来あるべき姿と実際の姿が異なるということになってしまうためです。

そのため、システムの輪郭をはっきりさせるタイミングはシステム企画から要件定義、遅くとも基本設計の前半で完了させておく必要があります。

参考にした書籍

システム設計のセオリー --ユーザー要求を正しく実装へつなぐ

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上記書籍の4章の内容と、実際のシステム開発での経験をもとに記載しています。

その他システム設計に関する書籍

25のセオリーで学ぶシステム設計の必修スキル

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