事業で扱う情報を見える化する - システム開発で必要なデータを探すために

情報システムとデータ

情報システムは、データを一元管理し、そして、必要な時に必要な形でデータを参照できるツールです。
そのため、情報システムの開発では、情報システムで扱うべき必要十分なデータを洗い出す必要があります。

システムで扱う情報を探す

システムで扱うデータを探す際は、事業単位で扱う情報を探していきます。
そして、対象となる事業で扱うそれぞれの情報が、静的な管理対象(エンティティー)になります。
なお、エンティティーを探す場合は以下の6パターンの名詞で表すことができる情報を探します。

  1. Who:人に関する情報(従業員、客、組織等)
  2. What:ものに関する情報(商品、原材料、在庫等)
  3. When:日時に関する情報(購入日、スケジュール、会計年度等)
  4. Where:場所に関する情報(住所、店舗、施設、配置等)
  5. 業務の目的に関する情報(業務ルール、注文書、契約、法律、問い合わせ等)
  6. 手段に関する情報(計測方法、指示方法、集計方法等)

概念データモデルを作成する

各エンティティーに関係を表す線を引き、概念データモデルを作成します。
概念データモデルを作成することで、事業で扱うすべての情報とその情報の関係を表すことができます。

なお、概念データモデルは、事業で扱う情報の全体像を表すものであり、システムで扱うデータが表されているわけではありません。
システムで扱うデータは、事業で扱う情報の構成要素となるためです。
例えば従業員の情報をシステムで扱う場合、システムでは以下の従業員の構成要素となるデータを保持することになります。

  • 社員番号
  • 氏名
  • 所属
  • 役職

そして、事業で扱う情報がどのようなデータの集まりとなっているかは、事業によって異なります。
また、システム化を行う場合は、システム化の範囲によっても必要となるデータが変わってきます。

そのため、情報システムので扱うデータを探す際は、概念データモデルをもとに、システム化の範囲を考慮し、必要なデータを探す必要があります。

参考にしている本

システム設計のセオリー --ユーザー要求を正しく実装へつなぐ

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