システムは小さく作ったほうがいい

システムを小さく作るとは

「システムを小さく作る」ということは、必要最低限の機能のみで作るということです。
つまり、最低限のことしかできないシステムを開発し、リリースするということになります。

小さく作るのは難しい

システムの開発を行っていると、いろいろと機能を追加したくなると思います。
特に、動くものができてくると、画面に1個ボタンを追加するとより使いやすくなるのではないか、もっと入力チェックを甘くして、なんでも入力できるようにしたほうが便利ではないかなど、さらに夢が膨らんでくると思います。

そのため、開発当初はシステムを小さく作ろうとしていたが、結局機能てんこ盛りとなってしまうことはよくあると思います。

それでも小さく作る理由

このような経験はないでしょうか?
今度バーベキューやりたいなと思い、バーベキューセットを購入したが、その後一度も使わずに今も倉庫にほこりをかぶった状態になっている。
または、学生時代に使っていた道具で、いつか使うだろうと思い取っておいたが、いまだにその時が来ないままである。

つまり、「使うかもしれない」、「必要だと思う」という理由で購入、または残しているものは、意外と使われないことが多々あります。

システムも同様に、「使うかもしれない」で実装した機能は多くの場合使われません。
そして、「使うかもしれない」機能を実装することは、最低限の機能を実装した場合に比べ多くの機能を実装することになるため、システムを作るために必要となる金額も大きくなります。

つまり、ほとんど使われない機能のために、無駄にお金を払うこととなります。

また、機能を盛りだくさんにした場合、システムで行う処理が複雑化してしまいます。
そして、システムの複雑化は、以下の弊害を生むことがあります。

  1. ユーザーが導入されたシステムを使いづらいと感じ、システム自体が使わなくなってしまう
  2. システムのバグの修正や、新機能追加に必要な期間が増加する

必要になったらどうするのか

システム導入後しばらくして、ある機能が必要だということが判明することがあります。
しかし、小さく作ったシステムでは、システム導入後に必要となった機能は実装されていません。

しかし、必要となった機能が実装されていないことは、それほど大きな問題ではありません。
なぜなら、必要になったタイミングで、システムに機能を追加することが可能だからです。

さらに、最低限の機能で、シンプルに作られているシステムであれば、多くの場合機能の追加が容易にできます。
そのため、必要な機能は、必要になってから実装することが可能です。

システムを小さく作るために

システム開発をしているとどうしても開発の途中で機能を追加したくなると思います。
しかし、「使うかもしれない」、「あったほうが便利だと思う」で追加した機能は、ほとんど使われずに終わってしまうこともあります。

そのため、機能を追加したくなったときは、開発しているシステムが何のためのシステムなのか、システム導入により解決する課題に対して、追加機能が必要であるかを十分に検討する必要があります。

特にシステムが追加している機能がなくても、十分業務に対応できるのであれば、無理に機能追加しないほうがかえってシンプルで使いやすいシステムになることもあります。

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